地方再生のカギはコミュニティデザインにアリ!

高度成長時代に工業都市として発展しながら、衰退の一途をたどっている町が日本全国いたるところにあります。そういった地方を再生するにはコミュニティデザインがひとつのカギになると言われています。いったいコミュニティデザインとはどのようなものなのでしょうか。

コミュニティデザインとは?

AS_91799147コミュニティデザインとは一言でいうならば、人と人とがつながる仕組みをデザインすることです。しかし、それは地方自治体などからの通達ではなかなか上手くいかないものです。

何よりも大事なのはその地域が抱える諸問題を住人自らが発見し、自分たちの手で解決しようというムーブメントが起きることです。しかし、課題が見つかってもどう解消していけば良いのか具体策が思いつかないという事例も少なくありません。そこで、地域住民だけではなくコミュニティデザイナーなどの専門家も参加することが大切になってくるのです。

コミュニティデザイン実例 その1

大阪市北加賀屋エリアは、かつては造船の町として知られていましたが、造船業の衰退に伴い急速な過疎化が進行していました。そこで、空き物件をアーティストのアトリエとして提供する「北加賀屋クリエイティブビレッジ構想」がすすめられてきましたが、2011年からそこに農業をプラスする新たなプロジェクト「北加賀屋クリエイティブファーム」が立ち上がりました。農業を媒介として、アーティストと地元住民の交流を深めることに成功しています。

コミュニティデザイン実例 その2

郊外に大規模商業施設が進出してきたことによって、地方都市の鉄道駅周辺の商店街は打撃を受けているところが少なくありません。宮崎県延岡市のJR延岡駅周辺も、そのようなシャッター商店街のひとつでした。

しかし、2011年からコミュニティデザイナーや空間デザイナーとともに地域の50の市民団体がワークショップを開催。駅前に必要なものは何かを十分話し合い、駅舎とそのまわりの空間を市民活動の舞台として再生する計画が発動しました。商店街エリアでの市民活動も活発化し、市民主役の町として再生しつつあります。

コミュニティデザイン実例 その3

長崎県五島列島の福江島半泊は、約200年前に隠れキリシタンによって開拓された町です。歴史的にも価値のある教会を中心とした集落が形成されていますが、過疎化・高齢化は進む一方です。

しかし、少人数の観光客向けツアーや特産品づくりによって、文化的景観を保全するための資金を自ら調達しようという試みが続けられています。五島列島にはこのような教会集落がたくさんありますが、コミュニティデザインを利用した再生例の先陣となっています。

コミュニティデザイン実例 その4

三重県伊賀市島ヶ原地区は、かつては林業の町でしたが、木材需要の低迷などにより人工林の荒廃が深刻化していました。人工林の荒廃は自然災害の原因にもなるため、コミュニティデザインを活用した再生プランが実施されることになりました。

製材所をオープンスペースにして家具づくりスクールなどを実施していますが、他エリアからの観光客を呼び込むことに成功しています。宿泊者が利用できる木製テントを建設し、地元住民と交流できる広場も設置しました。プロジェクトに参加した学生が島ヶ原地区に移住した例もあり、町の若返りにも一役買っています。

……いかがでしたでしょうか。町おこしというと新しい施設を建設しなければいけないイメージを持っていた人も多いかもしれません。しかし、じつはこのようにコミュニティデザインによって町をよみがえらせるのこともできるのです。人と人のつながりがいかにパワーを持つかということを教えてくれるコミュニティデザインなのです。