子育てしやすさ日本一! 移住支援が充実する島根県邑南町

「結婚して子どもも育てたいけど、年収が少ないから躊躇している」という若者が増えています。しかし、平均年収が240万円前後であるにもかかわらず、人口が減少しないどころか、子育て世代の移住が増えている島根県邑南町を紹介します

■日本一の子育て村、島根県邑南町

as_104836211-2広島県との県境に位置している邑南町は、県内でもっとも広い町です。町全体の平均年収は約240万円で、日本全国の平均年収400万円~500万円のほぼ半分という状況です。しかし、中国山地の豊かな自然、島根県の伝統文化「石見神楽」、ファミリーでも楽しめるレジャースポット「瑞穂ハイランド」など、子育て世代にとって魅力のあるエリアでもあります。そんな邑南町が2011年から打ち出しているのが「日本一の子育て村構想」です。

■平均年収が低くても移住者は多い

現在、日本各地で急速な高齢化、過疎化が進行していますが、邑南町も例外ではありませんでした。そんな人口の自然減に歯止めをかけるためにスタートした政策が「日本一の子育て村構想」です。2011年のスタートから2年が経過した2013年には、人口の減少がストップし、人口増加に転じるほどの効果を発揮しました。なぜ、このような成功を収めることができたのでしょうか。

ひとつには「日本一の子育て村構想」の、0歳から中学卒業までを対象にした医療機関の医療費自己負担金をすべて無料にするという施策があるでしょう。島根県にも乳幼児を対象とした助成金制度はありますが、邑南町ではさらにそれに上乗せする形の助成があります。医療を担う公立邑智病院は産婦人科医、小児科が常勤していて、内科をはじめとした9つの診療科が整備されています。また、24時間365日体制の救急体制もあり、ドクターヘリによる緊急輸送なども行っているため、病状が急変しやすい小さな子どもを育てている家族にとっても安心できる環境になっているのです。

さらに、第2子以降の保育料の全額免除もあります。他の自治体でも3人目以降の保育料全額免除はありますが、2人目での免除はめずらしいものです。「子どもを産んでも1人がせいぜい」と、考える人も少なくないこの時代に、2人目を考える余裕を与えてくれる施策といえるでしょう。

■就労定住支援もある

as_82175871田舎への定住を希望していても、仕事や子どもの学校への不安のため踏み切れない人もいます。しかし、邑南町の役場は、定住支援コーディネーターの専従職員が配置されていて、就職先、学校、住居などの紹介を実施していることが特徴です。具体的には新規就農支援、無料職業紹介、町内に誘致した企業への見学などを行っています。さらに、子育て世代だけではなく、婚活支援も行い、邑南町で出会って新しい家族として定住するカップルも支援しています。

 

■移住者の声

Iターンによって農家民宿を営むOさんは「邑南町に救われました」と語ります。シングルマザーのOさんは広島の都心部に住んでいましたが、近くに公園もなく子どもとのびのびと遊ばせる環境が不足していることに不満を抱いていたそうです。前職がレストラン勤務で、食材選びに足を運ぶことが多かったことから島根県に興味を持つようになりました。自然の中で生活したいという理想はありましたが、小さな子どもを持つOさんにとって近くに大きな病院がない田舎は不安だったと言います。しかし、邑南町は医療体制もしっかと整備されていたので安心に思えたということです。さらに、邑南町の定住コーディネーターもじつはIターン経験者で、親身に相談に乗ってくれたことも移住を決心する決め手となったそうです。現在では町から支給された100万円で改修した古民家に住み、農林振興課で臨時職員として働きながら民宿も営み、子育てと仕事を両立しながら充実した毎日を過ごしています。